昨日の夢の続きを話そう
ブルーストライプのシャツの袖を捲ったルカさんは、向井さんと課長にあれこれ的確な指示を出した。
ふたりはテキパキと動き、心ここにあらずな私は、ガゼボがなんなのか分からないまま手伝った。

作業が進むその間に、麻衣子と和史は次のタイムスケジュールのために控え室に向かう。

麻衣子はそわそわと落ち着きのない様子だった。和史も同様で、どこか釈然としないような顔つきで去り際に、こっちを見ていた。


「澪ちゃん、あいつのこと……」


一旦屋根から布を外すために、脚立から降りたルカさんが私に耳打ちをする。


「へ? あいつ?」


大きな布を受け取った私は眩しくて、目陰を差して首を傾げた。


「いや、なんでもない。澪ちゃんの良さに気づかないなんて、馬鹿な野郎だなって思ってさ」
「っ、え⁉︎」
「まあ、僕的には好都合だけど」


にっと片頬を緩め、ウインクみたいに微笑む。
その瞬間、心臓が撃ち抜かれたかのように、どん! と強く響いた。

ルカさんにまた会えるなんて……。
今になってようやく、この奇跡みたいな状況に胸が熱くなった。

なんか、目眩がする。
けどそれは、体調不良からくる、不快なものではなかった。

すごくいろんなことが矢継ぎ早に起こって、ゆっくり話す時間もないまま、私は向井さんに急かされてロッカー室に着替えに向かった。
二戸氏とどういう知り合いか、あとでじっくり聞くからね! と、わくわく顔の向井さんに予告されて。

直前にアクシデントはあったものの、式は定刻通りに始まり、滞りなく進む。
披露宴の招待客は親戚、友人、職場の人のほかにホテル関係者や取引先が多く、ガーデンは賑やかだった。
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