昨日の夢の続きを話そう
い、いやいやいや……。
柔和に微笑みながらもあたかも当然かのように私の心のなかの質問にまで首肯されると、どう反応していいものか……。


「でも、あの黒猫が住み着いてたなんて想定外だったな」


ごにょごにょと口もごらせながら瑠加さんは、顎に手をあてた。


「黒猫、って、事故のときにいた?」
「うん。あのとき澪ちゃんも目の前を横切っただろ? それで驚いて……」
「あ、はい、そうです」


やっぱり黒猫だったんだ。


「それから僕、あの黒猫が憎くて憎くて……!」
「い、いや、あのときの黒猫ではないでしょうし、それに猫に罪はないですから……」
「もしかして澪ちゃん、僕の執念に引いてる?」


私を赤面させる手を緩めない瑠加さんは、臆面もなく真顔で言う。


「お、おどろいて、ます……」


間の抜けた声が出た。


「一人前になってから澪ちゃんの前に戻ってきたいと思ってたから、遅くなったけど。僕は、君を支えたいと思ってる。いつも、近くで」


真っ直ぐに見つめられ、目を逸らせない。


「なんて。カッコつけちゃった」


瑠加さんは首をすくめた。
その仕草が可愛いなぁ、などと悠長に思っていたのも束の間。


「でも、好きな子の前では、カッコつけるもんだろ?」


ずいっとこちらに顔を近づけるから、あっという間に距離は縮まり。


「ちょっとでも澪ちゃんの記憶に爪痕残そーと思って、けっこう必死」
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