昨日の夢の続きを話そう
「あ、ごめん。なんか改めて砂岡くんって、すごいなって思って」


話題を逸らすつもりで私は庭の方を見たんだけど、目に入ったのは自分の発言を更に裏付ける光景だった。


「うわぁ……」


本当にすごい。
砂岡くんって、一体何者?

私を幸せな気持ちにさせる、魔法使い?


「香澄さん?」
「私、白い家に住むのが夢だったんだよね」


え?と不思議そうな顔で、砂岡くんが首を捻る。

けれども私は庭から目が離せない。
うちの庭には、三角屋根の白い、ログハウスのような味のあるミニチュアの家が、たくさん建っていた。
当たり前だけど、そういう風に見えるってだけで、ただの木を囲んだ白い板なんだけど。

見晴らしのいい高いところから、白い家の屋根を眺めているような気分。


「白い家?」
「うん。白い、小さい家がたくさんあるみたいで、なんだか可愛いお庭になったな」
「それは、いつ頃から夢見てたの?」
「ええっと、小さい頃だからよく覚えてないんだけど……ポスターで見たんだよね、白い家を。それからずっと憧れてたの」
「へえ。なんのポスター?」
「うーん、なんの広告だったのかなぁ。確か海の近くの一軒家でね。テレビで見たのか、お店に貼ってたのか、忘れちゃったんだよねぇ」


ははっと笑ったとき。


「かーすーみっ、ちゃーん!」


玄関の方から、元気な子どもの声が聞こえた。
私と砂岡くんは目を見合わせる。
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