昨日の夢の続きを話そう
「きっと友達の子だわ。ちょっと行ってくるね」


と砂岡くんに一言断って、私は庭から家の横を通って玄関に行った。


「あ、香澄ちゃん、いたー!」
「海斗くん! 大っきくなったねぇ」


玄関の扉からではなく、裏からひょっこり登場した私に、海斗くんはぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを表現してくれた。


「一緒にピザでも食べようと思って来てみたよ! 庭作業でもしてたの?」


現場作業のときと変わらない私の格好を見て、腕を組んだ亜美が目を細めながら言った。
その腕には、花時計カフェのテイクアウト用の紙袋が提げられている。


「うん……まあ、ちょっとね」
「えっ、お庭⁉︎」


わくわくしたわんぱくな声で、海斗くんは勢いよく私が通ってきた家の脇の道を逆走してった。
以前遊びに来てくれたとき、庭で虫捕りをしたことを覚えてるみたい。


「こらっ、海斗! 待ちなさい、勝手に行くんじゃない!」
「あ、ちょっと……」


海斗くんを追いかけて、亜美も庭の方へ行ってしまった。
でも待って、そっちには……。


「__っひい!」


亜美の悲鳴のような声に驚いて、急いで庭に戻ってみると。


「あ、はじめまして。砂岡です」


ぽかんと立ち尽くして知らない男性を見上げる海斗くんと、両手で口元を覆って仰け反るくらい驚いている亜美の姿。
砂岡くんを見ての反応だ。


「あ、今日ね、こちらの砂岡くんに、雪囲いを手伝ってもらったの」
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