昨日の夢の続きを話そう
「あ……どんぐり」
無意識にぽつりと呟いて、私は緩慢な動きで自転車を降りた。
枯葉が足元で舞う。
踏んだら、よく乾いていて、からりと小気味のよい音がした。
なんとなく視界に動くものを捉え、私はぼんやりと目で追った。
黒い影が、向こうでジグザグにうごめいたかと思ったら、いきなり視界を横切った。
「っきゃ!」
な、なに⁉︎
驚きで反射的に体が仰け反り、もうちょっとで自転車を倒して尻餅をつきそうになった。
なんだろう、今の……。
大きな虫だったらどうしようって思ったら、途端に身震いがした。
虫は世界一苦手。
でも、今のは虫よりもっと大きな動物のようだった。
ネズミとか、リスとか、それか……。
「猫……?」
そう自分で呟いたのが、まるで合図かのように。
「っ……」
小学三年生の秋祭りの日。
この山で起きた事故の光景が、突然脳裏で断片的に蘇った。
__待って、待ってよ。
私は必死で追いかけた。
どんどん山深く。
青い鳥に手を伸ばす。
その瞬間の黒い影。
宙をもがく、体が熱い。
忙しない息遣い。
遠ざかってゆく青い影。
耳に残った、羽根の音__
「……っ痛……」
こめかみから耳の辺りに鋭い痛みが走った。
そこは、あのとき打ったところだ。
無意識にぽつりと呟いて、私は緩慢な動きで自転車を降りた。
枯葉が足元で舞う。
踏んだら、よく乾いていて、からりと小気味のよい音がした。
なんとなく視界に動くものを捉え、私はぼんやりと目で追った。
黒い影が、向こうでジグザグにうごめいたかと思ったら、いきなり視界を横切った。
「っきゃ!」
な、なに⁉︎
驚きで反射的に体が仰け反り、もうちょっとで自転車を倒して尻餅をつきそうになった。
なんだろう、今の……。
大きな虫だったらどうしようって思ったら、途端に身震いがした。
虫は世界一苦手。
でも、今のは虫よりもっと大きな動物のようだった。
ネズミとか、リスとか、それか……。
「猫……?」
そう自分で呟いたのが、まるで合図かのように。
「っ……」
小学三年生の秋祭りの日。
この山で起きた事故の光景が、突然脳裏で断片的に蘇った。
__待って、待ってよ。
私は必死で追いかけた。
どんどん山深く。
青い鳥に手を伸ばす。
その瞬間の黒い影。
宙をもがく、体が熱い。
忙しない息遣い。
遠ざかってゆく青い影。
耳に残った、羽根の音__
「……っ痛……」
こめかみから耳の辺りに鋭い痛みが走った。
そこは、あのとき打ったところだ。