昨日の夢の続きを話そう
……今更なんだけど、これ、詐欺とかだったらどうしよう……。
実は何十万もするんだとか言ってあとから請求されたり、脅されたり⁉︎
「澪?」
静止したかと思ったら、今度はあたふた慌てだした娘を、母は不審そうに見た。
「どうしたの?」
「い、いやっ、な、なんでもない!」
でも……。
そんな悪い人には見えなかった。
『もちろん。大したものじゃないけど、驚かせて、怪我までさせちゃったお詫び です』
脅したりなんて、まさかそんな物騒な。
どちらかと言えばむしろ懐かしく、安心するような雰囲気だったし。
私も名前、聞けばよかったな……。
「あら、その手どうしたの?」
ワックスバーをバッグのなかに仕舞うとき、母が目ざとく手のひらの絆創膏を見つけて言った。
「ちょっと転んじゃって……」
「ええー、大丈夫? どこで?」
「まあ、ちょっとその辺で……」
私は曖昧に返した。
「その辺ってもしかして、うちの前? 公園に工事車両が来てて道幅狭くなってたんじゃない?」
「あ、ううん、別に……」
心ばかり微笑んで、私は俯いた。
その公園を近道してきた、とは、口が裂けても言えない。余計な心配をかけそうで。
「澪、空気入ったよ」
玄関を開けて仁さんが入って来た。
「ありがとう」
「これ、澪のか?」
そう言って仁さんがこちらに差し出したのは、カゴのなかに入れっぱなしだった結婚情報誌だった。
実は何十万もするんだとか言ってあとから請求されたり、脅されたり⁉︎
「澪?」
静止したかと思ったら、今度はあたふた慌てだした娘を、母は不審そうに見た。
「どうしたの?」
「い、いやっ、な、なんでもない!」
でも……。
そんな悪い人には見えなかった。
『もちろん。大したものじゃないけど、驚かせて、怪我までさせちゃったお詫び です』
脅したりなんて、まさかそんな物騒な。
どちらかと言えばむしろ懐かしく、安心するような雰囲気だったし。
私も名前、聞けばよかったな……。
「あら、その手どうしたの?」
ワックスバーをバッグのなかに仕舞うとき、母が目ざとく手のひらの絆創膏を見つけて言った。
「ちょっと転んじゃって……」
「ええー、大丈夫? どこで?」
「まあ、ちょっとその辺で……」
私は曖昧に返した。
「その辺ってもしかして、うちの前? 公園に工事車両が来てて道幅狭くなってたんじゃない?」
「あ、ううん、別に……」
心ばかり微笑んで、私は俯いた。
その公園を近道してきた、とは、口が裂けても言えない。余計な心配をかけそうで。
「澪、空気入ったよ」
玄関を開けて仁さんが入って来た。
「ありがとう」
「これ、澪のか?」
そう言って仁さんがこちらに差し出したのは、カゴのなかに入れっぱなしだった結婚情報誌だった。