昨日の夢の続きを話そう
「え! 澪、ついにお見合いする気になったの⁉︎」
母が嬉々とした声を響かせる。
私は急いでかぶりを振った。
「違う違う、麻衣子のだよ。訳あってちょっと今、預かってて」
「なんだ、そっか……」
がっかりと母は肩を落とす。
「お母さん……前も言ったけど、私お見合いする気はないんだって」
「でも先方がね、澪にぴったりだって……」
「ほら、今は仕事も楽しいしさ」
「……だけど、なかなか無いのよ? こんなにいい縁談。それに、紹介してくださった方の立場もあるし」
「……」
辟易とする私に、母は諦めない。
「お母さんね、澪にも早く幸せになって欲しいのよ。適齢期なんだし、そろそろ本気で……」
「広美、もういいだろ? こういうことはまず、澪の気持ちを優先しなくちゃ」
仁さんに止められて、不本意そうな顔つきながらも母は、ようやく口をつぐんだ。
「じゃあ、ありがとう。帰るね」
玄関を出て、門の脇に停めていた自転車のハンドルを掴む。
「あ、そういえば和史くん、結子(ゆうこ)先生も結婚式に招待したんですってね」
見送りについてきた母が、背後で言った。
「今日和史くんのお母さんにスーパーで会って、聞いたの」
「ああ、そうなんだ」
私はサドルに跨る。
「結子先生も和史くんも、澪の命の恩人よね」
結子先生とは、小学校のとき担任だった二戸(にのへ)結子先生のことで、今は他校に勤めている。
母が嬉々とした声を響かせる。
私は急いでかぶりを振った。
「違う違う、麻衣子のだよ。訳あってちょっと今、預かってて」
「なんだ、そっか……」
がっかりと母は肩を落とす。
「お母さん……前も言ったけど、私お見合いする気はないんだって」
「でも先方がね、澪にぴったりだって……」
「ほら、今は仕事も楽しいしさ」
「……だけど、なかなか無いのよ? こんなにいい縁談。それに、紹介してくださった方の立場もあるし」
「……」
辟易とする私に、母は諦めない。
「お母さんね、澪にも早く幸せになって欲しいのよ。適齢期なんだし、そろそろ本気で……」
「広美、もういいだろ? こういうことはまず、澪の気持ちを優先しなくちゃ」
仁さんに止められて、不本意そうな顔つきながらも母は、ようやく口をつぐんだ。
「じゃあ、ありがとう。帰るね」
玄関を出て、門の脇に停めていた自転車のハンドルを掴む。
「あ、そういえば和史くん、結子(ゆうこ)先生も結婚式に招待したんですってね」
見送りについてきた母が、背後で言った。
「今日和史くんのお母さんにスーパーで会って、聞いたの」
「ああ、そうなんだ」
私はサドルに跨る。
「結子先生も和史くんも、澪の命の恩人よね」
結子先生とは、小学校のとき担任だった二戸(にのへ)結子先生のことで、今は他校に勤めている。