昨日の夢の続きを話そう
「麻衣子さ、憧れてる式場があってほんとはそこで結婚式したかったみたいなんだよね」
「え、そうなんだ」


萩間荘の式場も、シックな感じで素敵だと思うけどな。


「美術系の有名なデザイナーが手がけたガーデンウエディングで、今すごく人気でなかなか予約が取れないらしい」
「ああ……」


そういえば昨日借りた雑誌に、一際目立つ蛍光カラーの付箋がしてあった。
ガーデンウエディングの紹介ページ。

バラのアーチや藤棚、木彫りのベンチや噴水など、森の楽園に迷い込んで来てしまったような、可愛いガーデンの写真が載っていた。
見てるだけで幸せになる世界観で、女の子なら総じて憧れ、お姫様になったような気分を味わえる光景。

麻衣子は大人っぽい感じより、可愛いメルヘンちっくなムードが好きなのだ。


「その式場を真似したくて、麻衣子が見本を用意して、スタッフたちで見よう見真似で再現して。こういう森の動物たちも、テーブルに飾るんだって」


話しながら和史が顎で差した手のひらの上の青い鳥を、私は見つめた。


「小学生のとき、こういうキーホルダー流行ったよな」


内心、かなり驚いた。
今、同じことを思い出してる。


「ああ、うん……秋祭りの、夜店の?」


私は上ずらないように、慎重に声を発した。
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