昨日の夢の続きを話そう
「うん。願いが叶うっていう、青い鳥のキーホルダー」


同級生の女の子たち、みんなが欲しがってた。
ランドセルに付けると、願いが叶うという噂の、青い鳥のキーホルダー。

さっちゃんはピアノのコンクールで初めて入賞出来たらしいし、リカは品薄だったゲームが手に入ったらしい。
ほかにも、友達と仲直り出来た、先生に褒められた、リレーの選手になった……etc。

一年に一度、自然公園で行われていた秋祭りの屋台で売られるそれは、大人気ですぐに売り切れてしまうので私は手に入れることができなかった、けど……。


「あれに似てるなって思って。澪も欲しがってたじゃん、あの祭りのとき。それで、学校から急いで帰ってただろ?」


覚えててくれたんだ。


「うん……」


どうしても欲しかった。
叶えたい願いがあった。


『お母さんから、お父さんを、盗らないであげてください』


「だからくすねてきたんだ。一個だけ」


熱いものが込み上げてくる胸をギュッと手で押さえていた私は、いたずらな笑顔でさらりと言った和史を見て、きょとんと目を見開いた。


「えっ、そんな勝手なことしちゃダメじゃん!」
「平気平気、他の鳥もあるし。向井さんもいちいち在庫とかチェックしてないって」


疑いの眼差しを和史に向ける。


「ウエルカムボードのお礼だ。受け取ってくれ」
「……」


いいのかな。
いや、ダメだよね……。
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