昨日の夢の続きを話そう
『私は、私たちふたりの幸せを願ってくれる人に作って欲しいの!』


私のよこしまな感情を、一刀するような言葉だった。

素敵なものを作って、喜んでもらって、きっぱり思いを昇華させなきゃ……。

でも……。


「どうしよう……」


どうやって……?
まず、なにをどうする?

乾いた砂を手のひらでさらりと撫でる。
時間はこの砂のように、指の間から容易くすり抜けるから。
急いで帰って、借りた雑誌を見て勉強して、スケッチを描いて、明日朝一で材料を揃えて……。


「急がなきゃ、間に合わない……」


なんとか自分を奮い立たせようにも、弱気が目から溢れ出る。

ぽたりと流れ落ちて砂の上に、濃い色の染みが出来たとき。


「こんにちは」


背後から声がした。

突然のことに心臓が飛び出るくらいドキッとして、目を見開いた私はゆっくり振り向く。

すると、一度見たら忘れられない人物が、膝に手をついて屈み、私の顔を覗き込んでいた。


「わっ!」
「あ、ごめんね。また驚かせちゃった?」


金魚みたいに口をパクパクさせながら、私は存分に驚いた。
なぜなら、声をかけて来たのは昨日山小屋で会った、とても美しい男性だったから。

さっき、和史がじっとこっちを見てたのは、この人並外れた外見の持ち主が、私の背後にいたからか。
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