昨日の夢の続きを話そう
すると、八分目まで浸っていた水が、ちゃぷんと揺れて波打った。「っと!」思ったより重くて、バランスを崩したとき。


「__大丈夫?」


真横からすっと手を伸ばしたルカさんが、軽々とバケツを持ち上げた。

同時に片方の手でよろめいた私の肩を支えたので、一気に距離が縮まった。


「はっ……す、すみません!」


薄手のカットソーから、ちらりと鎖骨が見える。
すらっとした細身のスタイルからは想像がつかないくらい、胸板や肩や腕は案外がっしりしている。


「ご、ごごごめんなさい!」


助けてもらった上に、至近距離でこんな変態風な観察をするなんて……!

見入ってた視線に気づかれないようにすかさず後退すると、私はルカさんから目を逸らした。


「ううん。澪ちゃんに怪我がなくて良かった」


こっちの動揺なんかちっとも気にする様子もなく、ルカさんは口角を上げてにこっと笑う。


「水洗いするよ」
「あ、手伝います」
「いいよ、澪ちゃん手のひら怪我してるだろ?」
「えっ、それはもう全然平気でして……」
「ダメダメ、ばい菌が入ったらいけないし。僕がやります」
「……」


私はガクンと肩を落とし、ジャバジャバ貝殻を洗うルカさんの背中を見ていた。

空回ってばかり……。
自己嫌悪で落ち込む。

気を取り直して、洗い終わった貝殻をタオルで拭く。
新聞紙の上に並べ、窓際の風通しのいい場所で乾かした。
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