昨日の夢の続きを話そう
「それじゃあ次は、ボードに色を塗ろう」


薄い板をノコギリでカットする。
糸ノコは昔巣箱を作るときに何度か使ったので、体が覚えててルカさんに上手だと褒められた。

切り口にやすりをかけて、ペンキを塗る作業に入る。
ルカさんの小屋には道具や材料がいろいろと揃っているので、作業が滞りなく捗った。

ルカさんってほんと、何者なんだろう……?

折に触れ、そういう疑問が波のように押し寄せてきたり、引いたりする。
だけど余計なお喋りをせず、私は黙々と作業に集中した。

ルカさんのスケッチ通り、最初はベージュにしようと思ったんだけど、水色のペンキを使わせてもらうことにした。


「なんだかこの、くすんだ色合いがレトロで可愛いなって思って」


と、私が感想を述べたら、ルカさんは「お目が高いね」と言った。

……何者?
ペンキ業者?

なんて思うくらい、小屋には色とりどりのペンキが揃ってた。

私はひたすら無心になって、筆を持ちペンキを塗った。
その水色は、雨が降りそうな空の色のようだったし、ルカさんが今日着ているカーディガンの色のようでもあった。


「ちょっと、ムラになってしまいました……」



塗り終わって私が報告すると、顎に手をあてボードを眺めたルカさんは、うんうんと頷いた。


「上手だよ、とても。ちょっと気になったとこ、僕が直してもいいかな?」
「は、はいっ! お願いします」


筆を持つルカさんの所作は、うっとりするほど美しく、絵になった。
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