昨日の夢の続きを話そう
驚きのあまり動転し、予定より大きく擦れて切ってしまった……。


「……うわぁ……」


みるみるうちに顔が強張ってゆく。
血の気が引く、とは正にこのことだ、と思ったのも束の間。


「大丈夫、何度でもやり直せるよ」


ルカさんはもう一度、レースに半円を描く。
私は今度はさっきよりももっと慎重に、その線をハサミで少しずつ辿った。


『あ、ごめん。可愛いなって思って、ついボーッとしちゃった』


な、なんだろう、さっきのアレは。
可愛い、って……。随分ことも無げに……。

あ、レース!
レースのことだよね⁉︎

そうだ、絶対……。


「澪ちゃん、ペンキが乾く間に散歩でもしようか」


切り終わり、作業台の前に立っている私に、扉の方からルカさんが声をかけた。


「あ、はい!」


急いで駆け寄ると、扉を開けて待っててくれたルカさんと、遊歩道を並んで歩いた。
途中、種を付けた昼顔のツルを見つけて、私は懐かしくなってしゃがむ。


「ツルを切って巻いて、リースにするの、小学生にときにやったんです」


昼顔じゃなくて、朝顔だったけど。
和史の分も、私が手伝ってあげたっけ。


「へえ、そうなんだ」
「あ、これリースにして貝殻を飾るのはどうかな⁉︎」


突然の思いつきで言った私に、ルカさんは穏やかに微笑んだ。


「いいね、それ」


なんとなく、小学生のときに作ったリースが、麻衣子が憧れているガーデンにマッチしそうな気がした。
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