昨日の夢の続きを話そう
私たちは枯れたツルを拾い、再び歩き出した。
バサッと羽ばたく音がして、大きな枝ぶりのカシワから、ヒヨドリが飛び立つ。
「なんだか、雲行きが怪しいな」
ルカさんが空を見上げて言った。
「ほんとですね」
私は気が抜けたような声で呟いた。
あの事故の日に、季節も時間も空の色も、よく似ている。
あの日、私は走った。
雑木林の獣道、青い鳥の姿を探して。
「昔、小学校の校庭に巣箱を作ったんです」
ぽつりと呟くと、ルカさんが足を止め、私を見つめた。
「ほかにも、野鳥が水浴びができるようにバードバスとか、餌台とかも」
和史の代わりにやってたとは言え、今になって思えば、けっこう楽しい仕事だった。
無心で、夢中になれた。
「野鳥って? スズメ? メジロとか?」
「うーん。どんな鳥なのかな。姿は見たことないんです」
「へえ、そうなんだ」
「餌は無くなってたから、食べてくれてたと思うんだけど」
「シャイな鳥だったんだね」
「ふふ、そうですね。私、もしかしたらよく巣箱に遊びに来てくれてたのは、青い鳥なんじゃないかなって思ってて」
「……青い鳥?」
私はこくりと頷いて、空を見上げた。
「それって、はぐれたインコとか?」
「うーん、そう、だったのかなぁ。一度、追いかけてみたんだけど、どんどん遠くに行っちゃって、見失っちゃったんです」
「そっか……」
「ほんとは、欲しかったんです」
「欲しかった? 飼いたかった、ってこと?」
「……」
秋祭りのあの日。
キーホルダーなんかじゃない。
私は本物の青い鳥を見たんだ。
あれは校庭の方から飛んできて、たしかに私が餌台に置いていたミカンをくちばしに摘んでいたんだ。
じっくり見て、捕まえて、鳥籠に閉じ込めて。
何度もお願いして、私の望みを叶えてもらおうと思ったのに。
手を伸ばした矢先に私は滑落し、そのまま意識を失った。
目を開けたら、病院だった。
青い鳥は、あのときから見失ったまま。
バサッと羽ばたく音がして、大きな枝ぶりのカシワから、ヒヨドリが飛び立つ。
「なんだか、雲行きが怪しいな」
ルカさんが空を見上げて言った。
「ほんとですね」
私は気が抜けたような声で呟いた。
あの事故の日に、季節も時間も空の色も、よく似ている。
あの日、私は走った。
雑木林の獣道、青い鳥の姿を探して。
「昔、小学校の校庭に巣箱を作ったんです」
ぽつりと呟くと、ルカさんが足を止め、私を見つめた。
「ほかにも、野鳥が水浴びができるようにバードバスとか、餌台とかも」
和史の代わりにやってたとは言え、今になって思えば、けっこう楽しい仕事だった。
無心で、夢中になれた。
「野鳥って? スズメ? メジロとか?」
「うーん。どんな鳥なのかな。姿は見たことないんです」
「へえ、そうなんだ」
「餌は無くなってたから、食べてくれてたと思うんだけど」
「シャイな鳥だったんだね」
「ふふ、そうですね。私、もしかしたらよく巣箱に遊びに来てくれてたのは、青い鳥なんじゃないかなって思ってて」
「……青い鳥?」
私はこくりと頷いて、空を見上げた。
「それって、はぐれたインコとか?」
「うーん、そう、だったのかなぁ。一度、追いかけてみたんだけど、どんどん遠くに行っちゃって、見失っちゃったんです」
「そっか……」
「ほんとは、欲しかったんです」
「欲しかった? 飼いたかった、ってこと?」
「……」
秋祭りのあの日。
キーホルダーなんかじゃない。
私は本物の青い鳥を見たんだ。
あれは校庭の方から飛んできて、たしかに私が餌台に置いていたミカンをくちばしに摘んでいたんだ。
じっくり見て、捕まえて、鳥籠に閉じ込めて。
何度もお願いして、私の望みを叶えてもらおうと思ったのに。
手を伸ばした矢先に私は滑落し、そのまま意識を失った。
目を開けたら、病院だった。
青い鳥は、あのときから見失ったまま。