男性恐怖症なんて関係ない!?
璃々side


蓮先輩は怒って休憩だと言って出てしまった
あたしのせいでシーンと静まり返る部屋




陽向先輩も蓮先輩を追いかけて出て行ってしまって……


自分で作ったこの空気なはずなのに居るのが嫌で部屋を出た


「あら?裏山璃々さん サインは貰えたぁ?」

「あ……いや……その……えっと……」

「なに?貰えなかったの?本当使えないよね?」

そんな言い方しなくてもいいのに……と落ち込んでいたら

「ねぇ?いつも蓮の横歩いてさ?仲良さそーに!あたかも彼氏ですみたいに!蓮は私のなの!あんたのじゃない!調子にのりすぎなのよ!」

「いや……そんなこと……」

「どんなて使ったか知らないけど、いつもベタベタと金魚の糞みたいにつき歩いて!色目でも使ってんでしょ?じゃなきゃ蓮があんたに振り向くわけないじゃない!何?キスでもした?」



キ……キス?

そんなものするどころか……あたし男性恐怖症だって
あたしだって教えて欲しいよ
こんななんの取り柄もないあたしを誘ってくれたんだもん

そんなに責めないでよ……(涙


「ねぇ?なんか言えば?泣いてないで
蓮も可哀想あんたに騙されて、あんたなんかなんの取り柄もないクズが!」


わかってるよ……
言えないよ……
何もしてないし……
あたしが聞きたいよ……
なんであたしなの?
なんで周りの可愛い子じゃないの?
同情でいるなら……


考えれば考えるほど頭の中はテレビの砂嵐のように歪んでいく


だんだん視界が歪んで
息が苦しくなって……


「何よ?悲劇のヒロインみたいに演じて……
それもどーせ演技でしょ?何?ふざけんものいい加減にしてよ!」


ふざけてないのに……
言い返したいのに……



「教えてあげる!蓮はあんたみたいなやつ大っ嫌いなんだよ!
そーやって弱いんですって演じて迷惑なの!蓮だって思ってるよ!迷惑だってこいつがいなくなればいいのに!って」


そうかもしれない
こうやって毎回迷惑かけてる……
あたしがいるから練習が中断するんだ……


あたしか全て……





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