一途な小説家の初恋独占契約
茶目っ気たっぷりに、でもどこか恥ずかしそうに小首を傾げられたら、もうダメだった。
こんなに素敵な人に抗おうなんて、初めから無駄なことだったんだ。
「うん……そうみたい」
「え?」
「私……ジョーに、恋しちゃったみたい」
「……ッ!」
余裕綽々で私を翻弄していたジョーが、慌てふためく。
「どうしよう……ちょっと待って……あぁ、本当!?」
「……ふふっ」
堪らなくなって、つい吹き出してしまった。
ジョーは、自分から言ったり行動を起こしたりするのは平気なのに、私に言われるのには弱いみたい。
視線を逸らしても、少し赤らんだ耳は隠せない。
ジトリとねめつけられても全然怖くないのは、外では厳しいジョーも、私にはいつだって甘かったから。
恥ずかしさと嬉しさでクスクス笑うのが止まらない私に、ジョーは諦めの溜め息をつくと一緒に笑ってくれた。
気を取り直したのか、ペロリとデセールを平らげてしまうと、嫣然と微笑んだ。
「女性を急かしたくはないけれど、早く食べて、汐璃。この距離じゃ遠すぎる。今すぐキミに触れたい」
そう言って、長い腕を私の方へと伸ばしてくる。
「どうして、そう言った途端に手が止まるのかな? 意地悪してるつもり?」
「違っ! そんなんじゃなくて……」
ジョーがあまりに色っぽいから困ってただけなのに!
「ほら、僕が食べさせてあげよう」
スプーンを奪おうとするジョーに翻弄されて、アイスクリームはすっかり溶けてしまった。
こんなに素敵な人に抗おうなんて、初めから無駄なことだったんだ。
「うん……そうみたい」
「え?」
「私……ジョーに、恋しちゃったみたい」
「……ッ!」
余裕綽々で私を翻弄していたジョーが、慌てふためく。
「どうしよう……ちょっと待って……あぁ、本当!?」
「……ふふっ」
堪らなくなって、つい吹き出してしまった。
ジョーは、自分から言ったり行動を起こしたりするのは平気なのに、私に言われるのには弱いみたい。
視線を逸らしても、少し赤らんだ耳は隠せない。
ジトリとねめつけられても全然怖くないのは、外では厳しいジョーも、私にはいつだって甘かったから。
恥ずかしさと嬉しさでクスクス笑うのが止まらない私に、ジョーは諦めの溜め息をつくと一緒に笑ってくれた。
気を取り直したのか、ペロリとデセールを平らげてしまうと、嫣然と微笑んだ。
「女性を急かしたくはないけれど、早く食べて、汐璃。この距離じゃ遠すぎる。今すぐキミに触れたい」
そう言って、長い腕を私の方へと伸ばしてくる。
「どうして、そう言った途端に手が止まるのかな? 意地悪してるつもり?」
「違っ! そんなんじゃなくて……」
ジョーがあまりに色っぽいから困ってただけなのに!
「ほら、僕が食べさせてあげよう」
スプーンを奪おうとするジョーに翻弄されて、アイスクリームはすっかり溶けてしまった。