キングの餌食になりまして。


――この男は、誰なの……?


 本当の支配人――藤原律は、こんな鬼だったの?


「噂なんて信じるもんじゃない」


 そりゃあすべてを鵜呑みにするわけない。

 だけど信じたかった。


 あなたの口から出る言葉だけは……。


「イメージでしか物事を捉えることができないようじゃ、また痛い目にあう」

「支配人みたいな、悪い大人に騙されるって言いたいんですか」

「心外だな? 俺を悪者扱いするなんて。お前が見る目ないだけだろう」


 言い返す言葉もない。

 あたしは結局なにも見えていなかった。自分に都合のいいことを信じて疑わなかった。


 だけど、この行き場のない虚しくて苦しくて張り裂けそうな想いをどこにぶつけていいかもわからない。


「京極さんが純真なら、あたしのこと何度もからかってきたり……するでしょうか」

「まだわからないのか?」


(なに……が?)


 あたしは、なにか見落としているの?


 だめ……全然頭がまわらない……。


「奏が本当に軽い気持ちでお前を誘っていたとでも思ってるのか?」

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