キングの餌食になりまして。
幾度となくスルーしてきたこの部屋への誘い。
キングと泊まることになるなんて、少し前のあたしには想像もできない展開だ。
絶対に、屈服するつもり、なかった。
なのに……。
「やっと実知留ちゃんのこといただける」
まさかキングの餌食になってしまうなんて。
それで、こんなに、嬉しくなるなんて……。
なんでこうなってしまったの……。
「悪いけど、こんなんじゃ足りない」
何度も重ねられる唇。離されたと思って油断したらまた重なってくる。
キスってこんなに長い時間をかけてするものなんだということを、あたしは初めて知った。
支配人とキスしたとき、あれが好きな人とのキスだと思った。
だけど、違った……。
支配人はキスが上手かったけど気持ちなんてこめてくれていなかった。
京極さんは……。
「ちょっと休憩しようか」
「え、」
「なんか苦しそうに見えたから」
「……っ!」
「ゆっくりでいいよ。まだまだ夜は長いんだ」
――甘く、優しい。