キングの餌食になりまして。
【君を世界一幸せなプリンセスにしてあげる】
あれって、どういう意味なんだろう。
こんな風に誰かと両想いになったことがないから、好きということも、こんな気持ちがどれくらい続くかなんてことも、なんにもよくわからない。
あたしたちは知り合って日が浅いし。
結婚……とかは、まだ考えてないよね?
それでも京極さんがあたしの最初で最後のひとになってくれたらいいな。
って。こんな風に考えちゃ、重いかな……。
それとも、
【寿退社おめでとう】
……あれは……真に受けていいやつ?
ええい。
今は余計なことを考えるな槇実知留。
なにか、あたしから話題をふろう。
「……あの!」
「なんだい?」
「あたしを採用してくれたの、京極さんなんですか?」
「そうだよ」
やっぱりそうだったんだ……。
「勘違いしてました。支配人とばかり……!」
「みたいだね」
「……気づいていたの?」
「まぁね」
言ってくれれば良かったのに。
そしたらあなたに失礼な態度はとらなかった。
だって、『恩人』だから……。
「知らないなら、知らないままでいいと思った。だから律には、君の勘違いに合わせてもらっていたんだ」