溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
2.「…貴女を甘やかしたい」
アパートに戻った私は、シワにならないように、ワンピースをハンガーにかけ、宝石は小さな宝石箱に閉まった。

ベッドにゴロンと寝転んで、かけられたワンピースを見つめる。

いくらシェフの友人とは言え、見ず知らずの私に、お金を持て余していると言っても、あげる必要はない。

それに、訳のわからないプロポーズも、腑に落ちない。

2名予約…ルイの誕生日ではなかった。

一人できたルイ…私の誕生日。

最初から、ルイは一人でこの店に来たのかな。

私の誕生日を祝うために。

…なぜ?…どうして?

わからないことだらけだ。


…ルイとは、この日以来、会うことなんてなかった。

ルイはとても忙しい身らしい。

大体彼は何者なのか?

毎日仕事を終えると、あの席を見つめてしまう。

緊張はしたが、会話は楽しかった。

悪い人ではないのはわかっている。

「…毎日あの人のことばかり考えてる」

ボソッと呟いてハッとする。

忘れよう。

忘れればいい。

あの日は夢の出来事だ。

そう思うことにした。
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