サンタは三人いる
私の事をどう思ってるのかすら、分からない。
むしろ、どうにも思われていない可能性が高い。
……だけど、
何回も何回も考え直して、打ち直して、躊躇って、ありったけの勇気を振り絞って送ったメッセージには、ちゃんと応えてくれた。
『いいよ』って。
そっけないたった3文字の返事だったけど、紛れもないイエスの返事をもらった瞬間、このドロッドロの泥に浸かったみたいな重い疲れも一気に吹っ飛んだ。
「お疲れ!美咲っ!またね!」
急にテンションを上げた私に驚きながらも、美咲は「頑張ってねー。」とニヤニヤ笑いで送り出してくれた。
***
職場に程近いマンションの5階。
ここに私の大好きな人が住んでいる。
通勤途中の駅から職場までの道のりにあるこのマンションを、いつも私は見上げながら、眺めながら歩いている。
その視線は、熱っぽく、ねちっこく。時々深いため息を吐きながら。
マンションのタイル貼りの外観は、暗がりの中で見ると、まるで巨大な城壁のようだ。