王子様とハナコさんと鼓星
その後は途中でお手伝いの寧々さんも含めて、2時間ほど食事を食べワインを飲んで楽しんだ。
和気あいあいとした食事の時間はあっという間。話好きな寧々さんが加わってからはとても賑やかになり、最後の方は社長と会長は口を閉ざして時折頷くだけだった。
「社長のご家族は皆さん仲がいいですね」
「そう?なんか、賑やかでごめんね」
楽しかった食事もお開きになった頃、社長の予想通りに泊まって行かないかと会長に提案され、初めて来た家に泊まることに気が引けたもの有り難く泊まらせてもらう事に。
そして「お風呂の準備が出来るまで待って」と、寧々さんに言われ、社長の部屋で待つ事になった。
社長が住んでいるマンションのリビングより広い部屋。
一際目立つキングサイズのベッドが気になったもの、敢えて見ないふりをしてソファーに少し離れて並んで座り用意されたハーブティーを呑みながらそう言うと、社長は失笑する。
「いいえ。私の家とは全然違って賑やかで楽しかったです」
「それなら、良かったよ」
「はい。なんか、全てが良い意味で裏切られたと言いますか…わたし、この結婚に反対されると思っていましたから」
「身分が違うとか言われるかと思ってた?」
脚を組み、背もたれに手を回し肩で笑う。
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