王子様とハナコさんと鼓星


「社長は私に華子さんと結婚する事を話した時に選んだ理由を聞いたら言っていましたよ。自分の周りにいなかったタイプの第1号だから、手に入れたかったと。この先、まだ出会えると言った私に、2号3号なんてつまらない。1号が俺はいいと」


「そんな事を言っていたんですか?」


「はい。最初は意味が分からなかったです。いなかったタイプとは興味がないとか色目を使わないとかそんな事だと思っていましたけど、宇宙飛行士の話をしたと聞いて、社長の言う共感とはその事だと分かり、今、謎が解けました」


何かおかしいのか、針谷さんはフッと微笑む。初めてみる針谷さんの笑顔と同じように笑みをこぼす。


「まぁ、こんな形のスタートなので華子さんがそう思うのも無理はないですけど、社長は華子さんを大切にしています。だから、これからも社長をよろしくお願いしますね」


「は、はい。それは昨日の事で身に染みました。針谷さん、どうやったら凛太朗さんともっと仲良くなれますか?あんまり恋愛経験はないですし、こんな形なのでどうしたらいいのか分からなくて…」


そう言うと、針谷さんは歩く足を止めた。
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