王子様とハナコさんと鼓星
「どうしたの?」
「あ、うん。襲われた事は驚いたけど、あっという間だったから恐怖とかは特になかったの。凛太朗さんに言われて、3日も休んだけどさ…桜に話したかったのはその3日間の事なんだよね」
実は、距離を縮めるって考えていたけれど、凛太朗さんとは約束の1日1回のハグのみで何もなかった。
針谷さんに言われていた通り、太陽が落ちる前に帰って来てくれたけどなにもない。
一緒にご飯を作って、食べて、お風呂に入ってからテレビや映画を見るの繰り返し。
今まで、ほとんど毎日のように身体の距離を縮めて甘い言葉や刺激的な言葉を囁かれていたのに不思議と何もない。
だから、私から近づく勇気が出てこなく休みはあっという間に終わってしまっていた。
その事を桜に話せば、冷めた目で私を見つめると食べ終わった箸をお盆に置いてから腕を組む。
「距離を縮めるねぇ。それって、身体的な距離のこと?」
「あ、いや…まぁ、どっちもかな。前よりは、色んな話をするようになったから、話すだけなら緊張しないけど…触られると…ドキドキする。凛太朗さんはこんな始まりでも私を大切にしてくれているから、彼が望むことは答えたい。夫婦になるって、覚悟決めたんだから」
「ねぇ、もしかして…好きになったの?」
(…え?…好き?)
数秒、答えられなかった。口をつぐみ、視線をキョロキョロとさせてから桜をみた。