王子様とハナコさんと鼓星


***


「それで…結局、その犯人はまだ捕まってないの?」

「うん。まだ、警察からは何も連絡はないよ」


あの日から3日後、社員食堂で桜と向かい合い日替わり定食を食べながらここ最近の事を話していた。

桜には3日休む事やその理由を凛太朗さんが仕事に行った時に事前に電話で話していた。

心配してくれて、久しぶりの出勤日には更衣室で着替える私の所に様子を見に来てくれる。


お昼を一緒に食べる約束をして、一度別れ時間を合わせ食堂でいつもの女子トーク。


「そう。出勤とかどうしたの?」

「針谷さんが迎えに来てくれてさ…断ったんだけど、凛太朗さんに「だめ」って圧をかけられちゃって。暫くは、針谷さんが送り迎えをしてくれるみたい。見られないかハラハラしたよ」


「でも、もしその犯人がまた襲って来たら次はどうなるか分からないよ。かすり傷で済んだからまだ良かったけどさ」

「そうだね」

自販機で購入したお茶を飲み、私がため息を吐くと桜は首を傾げた。

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