王子様とハナコさんと鼓星
「そうですか?でも、日本の雪国より海外とかの豪雪地帯によく行っているイメージです。オーロラとか見た事ありますか?」
「小さい頃にならあるよ。今の会社を任されてからは行く余裕がないけどね」
「わぁっ、オーロラとか綺麗ですか?私は画像とかテレビでしか見たことがありません」
「綺麗で感動する。今度、一緒に行ってみる?」
ハンドルに手を置きながら顔を私に向ける。悪戯っ子のような表情に少し頬を膨らませて窓の外をみた。
「では、社員旅行とかで…どうでしょうか」
「手強いな。2人でだよ、そこは」
「恋人が怒りますよ」
「いないよ、恋人なんて」
(本当かしら…)
この容姿で、お金も地位や名誉もあるのに、いないなんて、信じられない。それとも恋人ではないけれど、そういう関係の人はいるってことなのかも。
「あ、そこのコンビニでいい?」
青信号に変わり車が出る。近くにあるコンビニの駐車場に車を停めて2人で降りた。
何を買えばいいんだろう。行った先で食べるのかな?車の中では食べにくいから迷うかも。
おにぎりやサンドイッチのコーナーで悩んでいれば、ぐるっと店内を回った社長が隣に立つ。
「色々とあるんだね。どれがオススメ?買った事なくてさ」
「それならこのおにぎり美味しいですよ。あと、こっちのサンドイッチは3種類入っているので色々な味が楽しめます」
「では、どっちも買おうかな。村瀬さんはどれにするの?」
「私はこれです」
このコンビニでは、アボカドと鶏肉が入った大好きなサンドイッチがある。これが大好物で、よく買う。
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