王子様とハナコさんと鼓星
「美味しそうだね」
レジにむかい、社長がカウンターに置いたのを見て私も選んだサンドイッチと飲み物を置く。
ポケットから何かを取り出そうとする社長より早く鞄から財布を取り出した。
「私がここは出します」
「え?いいよ、俺が誘ったんだから」
「だ、ダメです。前も奢って頂きましたから。それに今日は車も出して貰いました。社長は先に車に戻っていて下さい」
「え、いや…ちょっ…」
背中を押すと困った顔で私を振り向く。それを見て見ぬフリをしてお金を払う。
そんな私を社長はじっと見ていた視線は感じてはいたが、気にしないようにした。
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