Dangerous boy
「お客さん、名前は?」

急に宮島さんに、名前を聞かれた。

「あの……倉本心です。」

「ココロ?一文字の?」

「うん。」


珍しい名前だけど、私はこの名前、結構気に入ってるんだよね。

「いい名前だな。心って。」

そしてまた感じる。

瞳の奥にある寂しげな心を。


「宮島さんは?」

「俺は尚太(ナオタ)。宮島尚太。尚太って呼べよ。」

その時、私の胸がドクンッと鳴る。

あれ?

何だろう、これ。

高藤部長の時の方が、ドキドキしていたと思うのに。


体自体が、反応しているような。


「で?受けるの?あの……上司の申し入れ。」

「ああ……」

そして引き戻される、現実に。

「……受けようと思う。」

「何で?」

「カッコいいし。上司としても尊敬できるし。何よりも私の事、大切にしてくれそうだから。」

「ふうーん。」
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