年上のアナタと大人の恋ができたなら
●A future story Ⅲ Ayano Shinonome

社長令嬢って何て窮屈なんだろう
やりたいことも出来ずまわりの目を気にして行動しなければならない
傍にくるのは社長令嬢という肩書き、そしてお金に目がくらんでいる人ばかり
毎日が息苦しくてたまらない、誰も本当の私を見てくれる人なんていない

そんな中で唯一私のことを外見で見ない人がいた
同じサークルに所属していた桐生俊介君
彼とは同じ面で悩んでいたこともありあっという間に仲よくなり
そして後に付き合い始めた
彼だけは本当の私を見てくれる
そう思っていたのだがそれはある日打ち砕かれることになる

それはサークル内で開かれた飲み会でのこと
飲みすぎたこともあってトイレに立った時のことだった
用を済ませて席に戻ろうとすると中から話声が聞こえた

「おい桐生、お前東雲とつき合ってるって本当か?
アイツ性格キツイし我儘だし社長令嬢って鼻にかけてるんだぜ」

「まぁ確かにそういう所はあるかもしれないけど・・・」と桐生君
まさか桐生君にまでそう思われてるとは思わなくてショックが隠せなかった

席に戻るのを辞めお店の奥にあった椅子にこしかけた
桐生君も結局他の人たちと同じだった
彼も私のことをそう思ってたなんて
もう誰も信用できないそれからは本当の私を
隠し偽りの自分を演じるようになった

最初からそうしてれば傷つくこともない
そう思い翌日から私は性格の悪い、お嬢様になった
桐生君も私の変わり果てた姿に最初口が出せなかったようだ
徐々に距離をおかれるようになり好きな人などいないのに
好きな人が出来たから別れてと彼を振った


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