年上のアナタと大人の恋ができたなら
「アナタ桐生君のこと好きなの?」
「好きです、じゃなかったらお付き合いしていません」
「そう・・1つ聞いてもいいかしら」
「何ですか?」
「アナタ外見や肩書で人を見たことある?」
「私自身はありません、見られたことはありますけど」
「桐生君から聞いたんでしょう?
彼の見た目や彼の持っているものに魅せられて近づく人たちのこと
そういう人たちに囲まれて彼がすごくうんざりしてたことも知ってるんでしょう
自分という人間を見てくれないって本人にとっては嫌なものよね
そういう私も桐生君と同じようにまわりに見られてた
学生時代から私の中身を見てくれる人はいなかったのよ
そんな中桐生君だけは普通に接してきてくれた、それがすごく嬉しくてね
その後暫くして私から告白して付き合い始めたんだけど
結局彼も皆と一緒だって知ったときは悲しかったわ」
「一緒ってどういうことですか?」
「結局彼もそういう人たちと同じ目で私を見ていたということよ」
「そんなの嘘です、彼がそんなことする訳ありません」
「嘘だと思うなら彼に聞いてみたら?
そもそもその時のこと覚えてたらだけど、じゃ」
そう言うと会計を済ませ店を出ていった