年上のアナタと大人の恋ができたなら
「何で嘘なんて」
「私のことをそんな風に見ている人とこれ以上は一緒にいたくなかった
我儘なお嬢様なら他に好きな人ができたって言えば納得するでしょう?」
「でもじゃあ今駿介さんに会いにきたのはどうしてですか?」
「最初は雑誌の桐生君を見て懐かしくなったのよ
学生時代を思い出し出会ったあの頃のように笑って話をしたかった
でも振った手前会いに行きづらかった
自分が作った性格がジャマして正直な気持ちが言えなかったのよ
ただ話がしたかったと」
「俺自分のことばかりで東雲の気持ち全然分っていなかった
外見や肩書きで苦労しているのは自分も同じだったのに・・
東雲が悩んでいることに気がつけなかった」
「いつまでこんな自分を演じなくちゃいけないんだろう
本当の自分に戻りたいのにキッカケがつかめなくてずっと苦しかった
今回桐生くんに会いにきたのは懐かしいっていうのもあるけど
もういいんだよって言ってほしかったのかもしれない」
「東雲」
「もういいんですよ」
「え?」
「本当の自分に戻ってください、自分を偽る必要なんてないんです
皆に分ってもらえなくてもいいじゃないですか
本当に心許せる人たちだけが分ってくれてればいいんですよ
私は本当の東雲さんと仲よくしたいです」