副社長と秘密の溺愛オフィス
「でも、こままでずっとそんな素振り見せていなかっただろう?」

 まぁそうだろうな。事故に遭うまでの俺たちはお互い信頼はしていたけれど、そういった雰囲気はなかったのだから。俺は一生懸命ビジネスライクに徹していた。

 まだ彼女を受け入れる準備ができていなかったからだ。

 彼女を俺の秘書に抜擢したときにあった、いわれのない誹謗中傷や嫌がらせ。それを彼女は淡々と仕事をこなし成果を上げることで、周りを見事に黙らせた。何度も自分が手を回して周りを黙らせようとしたけれど、それではきっと彼女は納得しないだろうと思い、時にサポートをして彼女の頑張りを近くで応援した。そして彼女は見事それに応えた。

 時には悔しそうにする顔をすることもあった。けれど、それに耐え俺の仕事がうまくいくと、満面の笑みを浮かべて喜んだ。

一度した派手な贈り物には困惑していたいので、出張の土産にはチョコレートやキーホルダーなど他愛のないものを送るようにした。

今まで俺の周りにいた女どもなら不満をもらしそうなモノなのに、彼女は受け取るときには本当にうれしそうにしていた。
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