副社長と秘密の溺愛オフィス
「でも、大乗専務と結婚すると決めたのは彼女でしょう? あなたが気にする話ではないわ」
「いえ、わたしと義務感で結婚するくらいなら、千佳子さんと政略結婚したほうが紘也さんの為になりますから。同じ愛のない結婚なら……彼のメリットになる相手のほうがいいです」
言っていて悲しくなってきた。まだ覚悟が足りないみたいだ。
しかしわたしの言葉にお母様は、疑問を持ったようだ。
「なに、どういうこと? 愛のない結婚って。あなたたちふたりは――」
わたしは自分の失敗を、お母様に言われてはじめて気がついた。ふたりの婚約は深く愛し合ってということだったのに、うっかり口を滑らせてしまった。
わたしが焦っていると、お手伝いさんが電話を持ち部屋に入ってきた。
「紘也さまからお電話です」
その名前を聞いてわたしは、はじかれるようにソファから立ち上がった。
「失礼しますっ! この度は申し訳ありませんでした」
深く頭を下げて部屋を出る。
「明日香さん、待って! 待ちなさい」
失礼だとはわかっていながらも止めるお母様の声を振り切って、心の中で謝りながらわたしは屋敷を飛び出した。
直後にスマートフォンが鳴る。相手は……予想通り紘也さんだ。しかしわたしは電源を落として、駅に向かった。過去をちゃんと精算して前に進むために。
「いえ、わたしと義務感で結婚するくらいなら、千佳子さんと政略結婚したほうが紘也さんの為になりますから。同じ愛のない結婚なら……彼のメリットになる相手のほうがいいです」
言っていて悲しくなってきた。まだ覚悟が足りないみたいだ。
しかしわたしの言葉にお母様は、疑問を持ったようだ。
「なに、どういうこと? 愛のない結婚って。あなたたちふたりは――」
わたしは自分の失敗を、お母様に言われてはじめて気がついた。ふたりの婚約は深く愛し合ってということだったのに、うっかり口を滑らせてしまった。
わたしが焦っていると、お手伝いさんが電話を持ち部屋に入ってきた。
「紘也さまからお電話です」
その名前を聞いてわたしは、はじかれるようにソファから立ち上がった。
「失礼しますっ! この度は申し訳ありませんでした」
深く頭を下げて部屋を出る。
「明日香さん、待って! 待ちなさい」
失礼だとはわかっていながらも止めるお母様の声を振り切って、心の中で謝りながらわたしは屋敷を飛び出した。
直後にスマートフォンが鳴る。相手は……予想通り紘也さんだ。しかしわたしは電源を落として、駅に向かった。過去をちゃんと精算して前に進むために。