副社長と秘密の溺愛オフィス
なんだこれ、なにか……もしかしてっ!
そう思ったときに、その違和感が確信に変わる。――痴漢だ。
ぞわぞわとした悪寒が背中を駆け抜ける。ちらりと後ろを見ると五十代ぐらいのサラリーマンが顔をそむけて立っていた。しかし妙に鼻息が荒い。
くっそ、汚い手で明日香の体に触りやがってっ!
瞬時に怒りが頂点に達した俺は、思わず地をはうようなドスの効いた声をあげた。
「汚い手で触ってんじゃねーぞ、クソジジイ」
途端に痴漢がビクンと身体を揺らした。そして恐る恐るこちらを見る。思いっきり睨みつけてやると、「ヒッ」と小さな悲鳴をあげ、手を引っ込めようとしたので思いっき掴んで捻り上げた。
その時電車がちょうど駅のホームに到着した。男は掴まれていた手を振り切って逃げた。女の体じゃ、あの程度の男の腕を捕まえておく力もないのか。
「逃げるな! くそっ」
追いかけて捕まえようと思ったとき、明日香の「ミーティングに遅れるな」と言った言葉が頭に浮かび、電車に留まった。けれど時間がたつほどふつふつと怒りが大きくなる。
同じ電車に乗っていた乗客がチラチラとこちらを見て、バツの悪い思いをしながら、会社の最寄り駅のホームまで堪えたのだった。
そう思ったときに、その違和感が確信に変わる。――痴漢だ。
ぞわぞわとした悪寒が背中を駆け抜ける。ちらりと後ろを見ると五十代ぐらいのサラリーマンが顔をそむけて立っていた。しかし妙に鼻息が荒い。
くっそ、汚い手で明日香の体に触りやがってっ!
瞬時に怒りが頂点に達した俺は、思わず地をはうようなドスの効いた声をあげた。
「汚い手で触ってんじゃねーぞ、クソジジイ」
途端に痴漢がビクンと身体を揺らした。そして恐る恐るこちらを見る。思いっきり睨みつけてやると、「ヒッ」と小さな悲鳴をあげ、手を引っ込めようとしたので思いっき掴んで捻り上げた。
その時電車がちょうど駅のホームに到着した。男は掴まれていた手を振り切って逃げた。女の体じゃ、あの程度の男の腕を捕まえておく力もないのか。
「逃げるな! くそっ」
追いかけて捕まえようと思ったとき、明日香の「ミーティングに遅れるな」と言った言葉が頭に浮かび、電車に留まった。けれど時間がたつほどふつふつと怒りが大きくなる。
同じ電車に乗っていた乗客がチラチラとこちらを見て、バツの悪い思いをしながら、会社の最寄り駅のホームまで堪えたのだった。