クールアンドドライ
「顔だけはね、格好良い部類に入るでしょうよ。いや、めちゃくちゃ好みだよ。だけど、有り得ない。あの、課長だけは、顔が良くてスタイルもいいけど、有り得ない。」
「何で?」納得出来ない様子で訊いてくる姉に、勢いよく答えた。
「無能上司だからよ!」
「えっ篤君、無能なの?確か、都内の営業所で成績が優秀だったから、こっちで課長になったんでしょ?」
何故、うちの会社の事を、私より知ってるんだ?
ひろにぃのおかげだろうけど。
ひろにぃは、近くの不動産屋に勤めている。
でも、ひろにぃのお父さんは、うちの会社の営業部長だ。知ってて当然だ。
あの日、課長に楯突いた日、1人笑っていたのは、多分、部長だ。
まぁ、ひろにぃのお父さんのおかげで、今の会社に入社出来たので、文句は言えない。
「咲希、どうしたの?無能上司が成績優秀だって聞いて、惚れ直したの?」
どうやら、ぼーっとしてしまったらしい。
「それはないから!」慌てて、言い返した。
「そもそも、惚れてないからね!」念を押した。
「ええぇー、でも、小学生のころ好きだったんだから、いいんじゃない?」
「時の流れって残酷だね。・・あの時の王子様は、幻だったんだよ。・・そうだよ、そういうことだよ。お姉様、あの時の咲希のことは、もう、忘れてくれ。」
やや、大げさに、ため息を吐き出した。
「もう、相変わらず素っ気ないんだから、咲希ちゃんは。」姉が文句を言う。
「何で?」納得出来ない様子で訊いてくる姉に、勢いよく答えた。
「無能上司だからよ!」
「えっ篤君、無能なの?確か、都内の営業所で成績が優秀だったから、こっちで課長になったんでしょ?」
何故、うちの会社の事を、私より知ってるんだ?
ひろにぃのおかげだろうけど。
ひろにぃは、近くの不動産屋に勤めている。
でも、ひろにぃのお父さんは、うちの会社の営業部長だ。知ってて当然だ。
あの日、課長に楯突いた日、1人笑っていたのは、多分、部長だ。
まぁ、ひろにぃのお父さんのおかげで、今の会社に入社出来たので、文句は言えない。
「咲希、どうしたの?無能上司が成績優秀だって聞いて、惚れ直したの?」
どうやら、ぼーっとしてしまったらしい。
「それはないから!」慌てて、言い返した。
「そもそも、惚れてないからね!」念を押した。
「ええぇー、でも、小学生のころ好きだったんだから、いいんじゃない?」
「時の流れって残酷だね。・・あの時の王子様は、幻だったんだよ。・・そうだよ、そういうことだよ。お姉様、あの時の咲希のことは、もう、忘れてくれ。」
やや、大げさに、ため息を吐き出した。
「もう、相変わらず素っ気ないんだから、咲希ちゃんは。」姉が文句を言う。