初恋は、許されない恋でした。
『じゃーね!また明日!』

晴瑠「また明日。」


……とは、元気に言ってみたものの…。



あーー……ほんとにお似合いだった。



トボトボと帰り道を一人で歩いてると、考えちゃう。



……もし、麻生くんがあいら先輩を好きになったら……?




私はきっと、諦められない。
って言っても話しかけられないし…。


『はぁ…。




……って、かず?』



家につくと、私の玄関の前でかずが座っていた。


『何してるの?』

近づくと顔を上げたかずは、二ヘラ、と笑って、手を上げた。


……顔赤いし。


一希「美鈴ー……。
あっつい。」


……うげ、もしかして……。

『かず、熱ある?』

一希「ねぇよー……、俺はお前の相談聞いてやろーかと……」


はぁ……。
ほんっと……。
熱出てまで私の心配するかなぁ?


『ほら、かずんち入るよー。』


ガチャンッ

一希「うぃー……」


『おじゃましまーす。』


シーン。

かずの家の中に入ると、出かけているのか誰ひとりいなかった。


『ほら、歩ける?』

一希「んー……。美鈴ー…もー無理……。」



『うぇ?!


ちょ、重い!重いー!!』

私にもたれかかるようにして横になったかずはそのままいびきなんかかいちゃってる。



もーー……。
いいや、引きづってこ。

『よいしょっ……と、あっつ…、38度ぐらいあるんじゃないの……?』


かずの部屋のベッドに横たわせて頭を触ると、案の定熱かった。





『ちょっと冷たいよー。』

かずの家の冷蔵庫を勝手に開けて冷えピタやら水やらを取ってきてつけると、冷たいのか顔を歪ませた。


朝までは元気だったんだけど……。



『かず、ちょっとゼリーとか買ってくるから。』






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