初恋は、許されない恋でした。
麻生「美鈴?」


『え…?あ、麻生くんっ。』


久しぶりの麻生くん。
お変わりないですね、麗しいですほんと。
……麻生くんってこっち方面だったっけ?


麻生「美鈴、どうしたの?
体調悪いみたいだけど。」

『ぜ、全然!最近寝不足なんですよ~…!あは、あはは……』

麻生「それほんと?」

う、疑ってらっしゃいます……。
でもね、これだけは貫かねばいけないんだなこれが。


『ほんとほんと!!
気にしないで!
あ、そうだ、麻生くんこっち方面だったっけ?』

麻生「そこの本屋さんに参考書買いに行ってた。」

『部活はどうしたの?今日は休み?』

麻生「美鈴、来てくれるって言ってたのにずっと来てくれないから。」

……はっ!!
わ、忘れてた、完全に忘れてた…
色んなことありすぎて……!!


『ご、ごめんっ忘れてた……っ
ほんとにごめんなさい!』

麻生「……体調治ったら絶対来て。
じゃ、ここで。
またね。」


『うん……っ、またね!!』


麻生くんの背中を見てると、物凄く悲しい気持ちになった。
結ばれない恋って分かってます。


でも、ごめんね。
結ばれなくても、どれだけ叶わない相手だと分かっていても、気持ちは抑えられない……。





叶わなくても、いつか、麻生くんの胸に私の心が伝わるといいな。





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