運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~
「ち、違……」
「違くないでしょ? ほら、ココ」
引っ掻くように先端を擦られて、全身にびりっと電流が走り抜けた。やばい……ダメかも、私……。
腰が砕けそうになってシンクにもたれると、背後でクスッと笑った彼が、一旦服の中からスッと手を抜いて悪戯を止め、体を離した。
しかし解放されたことにほっとして、体の火照りを鎮めようとしたのもつかの間。
「ちょっと早いけど、今日は存分に新婚気分を味わいたいから、次は一緒にお風呂ね」
「えっ!?」
ぎょっとして思わず声を上げる。しし、新婚さんって、一緒にお風呂に入るものなの?
目を白黒させる私に、藍澤先生は久々に喉をククッと鳴らして意地悪く笑った。
「そんなに驚くこと? ……悪魔の妻になる自覚が足りないんじゃない?」
ぞくりとするほど妖艶な微笑。魔性のオーラを纏った甘いささやき。
うう、どうやらまた、彼は悪魔の仮面を手に取ってしまったみたい。私、無事でいられるだろうか……。
緊張と不安でいっぱいになるなか、それでも逃げなかったのは、私だってやっぱり、彼の全部が欲しいと思っているから。
もう何も疑わなくていいという安心感の中で、心にも体にも、彼の全てを刻み付けたい――。