運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~
「料理も楽しみだけど、“エプロン姿でキッチンに立つ美琴ちゃん”も楽しみだなぁ。こうやって後ろから抱きしめて、いろいろ悪戯したくなっちゃう」
「ひゃっ」
楽しげにつぶやいたかと思うと、ちゅっと音を立てて耳にキスした藍澤先生。
“したくなっちゃう”じゃなくて、すでに“してる”じゃないですか……! 一瞬でぶわっと全身に熱が広がり、頭から湯気が出そうになる。
「そ、そんなことされたらお料理に支障をきたします……!」
「俺、仕事で時間通り食事できないのは慣れてるから平気」
「いや、時間の問題では……」
呆れながら彼の方を振り向きかけた瞬間、大きな手が胸元に滑り込んできたのを感じて心臓が止まるかと思った。
カットソーの中に忍び込んできた手は、ブラの上からふんわりと、胸のふくらみを包み込む。
「あ、あの……」
初めての彼の部屋。お互いの気持ちも確認済み。一応、それなりの覚悟はしてきたけれど。
私の予想では、シャワーを浴びて、その後ベッドでゆっくり……という順序をたどるはずだったから、動揺を隠し切れない。
「ここ、キッチンです……けど」
「うん。……燃えるよね?」
も、燃えるってなに……!?
こういう時の藍澤先生は、どこか発想がおかしい。そうじゃなくて!と強く言いたいけれど、次第に艶めかしさを増す手の動きに、鼻にかかった甘い声が漏れてしまう。