運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~


「まあ、さすがに“抱いてこい”とまでは言われなかったけど、どうせ夫婦になるんだし……美琴ちゃんもキモチよかったでしょ?」


最後の部分だけわざと耳元で囁かれ、恥ずかしさと怒りがピークに達した私は彼の頬を思わず平手打ちした。


「最低……っ。ホントに、悪魔……!」


感情を露わにして彼を罵るけど、ぶたれた頬をさする本人は、平然と笑っていた。


「何とでも言えばいいけど、結婚はしてもらうよ?」

「無理です! 本当のことを知った今、あなたと結婚しようだなんて思えるはず……っ」

「あれ? 昨日、誓ったよね? 永遠の愛。ほら、ため息橋の下でさ。……忘れたとは言わせないよ? もちろん、昨夜さんざん愛し合った記憶もね」


“運命の王子”の仮面を脱いだ彼は、まさに悪魔的な黒い微笑みで、そんな脅迫めいたことを言う。そんな誓いは無効です!と突っぱねたいのに、有無を言わせぬ暗黒オーラに負けて私は押し黙ってしまった。

ああ……なんでこの男の本性を見抜けなかったんだろう。昨日の自分を殴りたい。


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