眠らせ森の恋




 危険だ。

 危険な人だ、やはり。

 今夜も早く寝かしつけなければっ。

 つぐみは階段下のスペースにひっそり置いている、本の詰まった紙袋の前にしゃがみ込んでいた。

 急いでページを捲る。

「つぐみ、ご飯」

「あっ、温めてありますーっ」
とつぐみは慌てて、その本を紙袋の上に伏せた。




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