眠らせ森の恋
 布団のようだ。上にそっとかけてくれる。

 こういうのっていいな、とちょっと思ってしまう。

 催眠術で寝かされたのに……。

 もう一人暮らしをして長いが、家族が居るって感じがするな、と思っていると、つぐみがまたなにか運んできた。

 自分が寝ているソファの下に布団を敷いているようだった。

 まさか、此処から転がり落とす気か? と思っていると、どうもそれは、つぐみが寝るためのもののようだった。

 何故、寝かせておいて隣りでっ?

 よくわからない女だ、と思っていると、つぐみはその布団に膝をつき、自分の顔を覗き込んでくる。

「本当に寝てるのかな~?」

 寝てるわけねえだろっ、と思っている自分の前で、つぐみは、
「こうしてると、綺麗な顔してるのに、いろいろと残念だなあ」
と呟いていた。

 なにがだっ?
< 150 / 381 >

この作品をシェア

pagetop