眠らせ森の恋
 



 目覚ましが鳴ってる……。

 止めなくちゃ、と目を開けたつぐみの顔の前に奏汰の腕時計が転がっていた。

 自分のものとはまるで違う、ごつくて大きな腕時計に、それがはまっている奏汰の手を思う。

 男と女ってこんなに違うんだな。

 ……っていうか、その手が私の身体に回っている気がするんだが。

 気のせいだろうか……。

 後ろから奏汰に抱き締められる感じで眠っていたようだ。

「止めろ、目覚まし」
と耳許で声がする。

 ひゃっ、とつぐみは身をすくめた。

 奏汰の腕がつぐみの耳の横を通り、アラームが鳴っている腕時計を取る。

「あ、じっ、時間ですねっ。
 起きないとっ」
と起き上がろうとしたが、肩を押さえつけられる。
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