眠らせ森の恋
「起きないと――」

 また押さえつけられた。

「お、起きない……」

 強い力で押さえられ、身動きできない。

 すると、奏汰が後ろで笑い出す。

「カメみたいだな」

 カメ!?

「カメが甲羅から首を出そうとして、うまくいかないで、ひょこひょこしてるみたいだ」

 ……乙女を例える言葉として、どうかと思いますが、と思っている間に、奏汰の腕がもう一度、身体に回る。

 ああっ。
 触れないでくださいっ。

 お腹の辺とかっ。

 最近、食べ過ぎなのでっ、といろんな意味で慌てていると、
「キスしてくれたら、放してやろう」
という奏汰の声が耳許でした。
< 243 / 381 >

この作品をシェア

pagetop