眠らせ森の恋
 編み図を取り、側に座る。

「此処、違うだろ。ちょっと解け」
と編みかけの渋い草色のセーターっぽいものを指差す。

「あー、はい」
と素直に解いたつぐみに、

「何処突っ込んでんだ、こっちだろ」
と言うと、つぐみは、

「ああ、はい。じゃあ」

 こう突っ込んでー、こう突っ込んでー、と確認のためか、口に出して言いながら、編んでいた。

 横からそれを監視しつつ、編み図で確認し、時折、叱る。

 すると、ふと気づいたように、つぐみは顔を上げて訊いてきた。

「奏汰さんは編み物したことがあるんですか?」

「あるわけないだろ。
 そこに広げて本置いてるからだ。

 これ、親切に、なにか編みがどういう編み方か写真入りで載ってるだろ。

 記号とその意味も。

 わからない方がおかしいだろうが」

 へえー、と言ったあとで、また、つぐみは、こう突っ込んでー、こう突っ込んでーと始める。
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