眠らせ森の恋
「図書館で、江戸時代の料理の特集コーナーがあったんですよ~」
と言いながら、つぐみは楽しげにキッチンに入って行く。

 その背中を見ながら、奏汰は、お前は図書館に踊らされている……と思っていた。

 つぐみが料理を温める音がする。

 奏汰はまだ立ったまま、つぐみが立ち上がったあと残されたセーターを見下ろしていた。




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