過保護な御曹司とスイートライフ


「おまえには解決しなきゃなんねー問題もあるから。俺の気持ちに応える準備ができたら、教えて欲しい」

タオルを畳もうとして止まっていた手に、成宮さんの手が重なる。
そのまま握られ、緊張が限界に達したとき、成宮さんが告げる。

「俺の気持ちだけ先に言っておく」

落ち着いた、真摯な声が静かな部屋に響く。

「好きだ」

重なった手の温かさが私の手に移るように、成宮さんの言葉がじわじわと心に染み込んで気持ちの真ん中にぽとりと落ちる。

今すぐにでも抱き締めたくなるような言葉を受け……瞳の奥に涙が浮かんでいた。

心臓が締め付けられすぎて呼吸が苦しくて……ずっと気付かない振りをしてきた気持ちの名前を知る。

私も、成宮さんが好きだ。
初めて出逢ったときから、直感で惹かれていた。

知れば知るほどその気持ちは大きくなり、今ではこの、どこまでも優しい人が愛しくて堪らない。


――これが恋なんだ。
初めて知った感情を抱え、ただ、成宮さんを見つめ返すしかできなかった。




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