午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女
「わぷっ!?」



曲がって1歩進んだ瞬間、私は何かに激突した。

壁…!?


「うそっ、なんで!?」



…も、もしかして…!


さっきの妄想、当たってるの!?



表札の名前…《Arima》



「おーまいがー…」



状況を把握できてないけど、私はとりあえずインターホンを押した。


ピーンポーン…



「…」



ピーンポーン…



「…」



まさかの、留守…?

…だったらまあ、仕方ないか…



私は氷枕やらゼリーやら風邪薬やら、とにかく看病に使えそうなものを詰め込んだビニール袋を取っ手にかけ、とりあえずUターンした。


仕方ないから、今日のところは帰ろう。



ーガチャ

「え?」

「……は…?なんで…お前が…ゴホッゴホッ!!!」



ドアの隙間から覗く有馬先輩と目が合って、お互い固まること5秒。



「…お、お元気ですか?って元気なわけないですよね!ごめんなさ………い…」


謝る前に、私の右肩に何かが乗った。

ふわふわした茶色の毛…これって…


先輩の頭!?



「あ、あ、あ、有馬先輩!?どどどどどうしたんですか!?」


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