嫌われ者の怪物と空っぽの少女
翌日。
また今度と言って別れた怪物と、夢のような時間を過ごしたマユは、朝食を作りながらはっとする。
「名前…聞き損ねた…」
また今度、と言って別れたのだ。
きっとまた会えるだろう。そう信じて朝食の準備を終えた。
街の人に、神様じゃない、と分かってもらうためにはどうしたらいいのだろうと考えた。
でも、あれだけ神様に敏感な街の人だ。自分と怪物で説得しても信じてくれないだろう。
すると、荒々しく玄関の扉が開いた。
「おい」
父だった。
いつもとは比べ物にならないくらいの機嫌の悪さだ。
「お前…神様と接触したのか……?」
「え……」
怒りの原因は思いもよらなかった。
何せバレていないと思っていたからだ。
「監視カメラに映ってたんだよ」
「そ…んな……っで、でも!神様はいい方なのよ!」
「ふざけるなっ!!自分が死にたくないだけだろう!!!」
父がマユを思いっきり叩く
何度も何度も
蹴り、殴り、物を投げ
マユの感覚が狂いそうなくらい、夜になるまで暴力を振るわれ続けた。
そんな地獄のような時間を、オースは見てしまっていた