嫌われ者の怪物と空っぽの少女
深夜、マユに暴力をしていても、全く怒りと恐怖が収まらなかった父は、どこかへ出かけて行った
マユの体や顔は、青あざと血だらけだった。
もう泣く気力もなく、ただそこに座っていた。
何時間たっただろう。外の空気を吸いたくて、マユもふらふらと外へ出た。
深夜の森は、どことない威圧感を感じて、背筋が凍りつくように寒かった。
玄関先でふと足元を見ると、一通の手紙と、花が置いてあった。
手紙には綺麗な字で、こう書かれていた
「Dear幼い蒼い瞳の少女
君は、生贄だったんだな
君の方が100倍は辛いだろう
もう、俺を呼ばないで
from神のなり損ない」
マユはその手紙を持って走った
どこへ向かって走ればいいのかもわからないのに。
ただ、あの怪物ともう一度会いたい
そんな気持ちだけが、マユの胸の中にあった。
花が好きなマユは、手紙に添えてあった花の花言葉を覚えていた。
ブライダルベール:花言葉▷幸福、願い続ける